相談2000件
生活向上へ全力
日本共産党京都市会議員団は、議第132号2022年度6月補正予算案について、賛成の態度を示していますので、私はその理由を述べ討論します。
今回の補正予算は、国の「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」として、地方創生臨時交付金を活用し補正するものであります。長引くコロナ禍の影響と合わせて原油価格・物価高騰等の影響を受けた各分野の支援であり、必要なものです。とりわけて、中小企業等総合支援補助金は、固定費も含め、幅広い事業者が使えるものであり、窮地に陥っている中小・小規模事業者の要望に応えたものです。補助率10/10と直接給付の形に近く、わが党も一貫して求めてきたもので必要な措置です。また、商店街の取組への支援は、消費喚起には必要です。伝統産業に対する支援は、設備修繕等も対象となり、求められてきた織機のメンテナンス出張費等に適応する内容なども含まれており、新たな前進です。学生支援に取り組む大学応援事業については、学生のみなさんが経済的支援を、京都市独自にするよう求めてこられ、党議員団も共に求めてきました。大学が取り組む事業への補助であり、臨時的ではあるものの、京都市として「奨学金への補助」「テキスト代の補助」「学生寮等の家賃補助」などにつながる経済的支援に踏み出したことは極めて重要であります。
以下、問題点と課題について申し述べます。
第一に、コロナ禍が続くもとで、目下の原油価格・物価高騰の影響は、とても大きく様々な市民に深刻な打撃を与えていることから見ると予算規模が不十分であると言わなければなりません。国に対して、対策の抜本的強化と予算措置を粘り強く求めていただきたいと思います。
第二に、事業者支援については、各種業界や業種の調査活動を改めて行うこと、中小・小規模事業者が安心して身近な場所で相談できる窓口を設置すべきです。中小企業等総合支援補助金の減収要件30%について、更にハードルを低くし、影響を受けている事業者すべてを対象とし、増額することを求めておきます。伝統産業基盤強化支援事業について、申請件数が予算を上回る場合按分すると答弁されましたが、伝統産業の従事者の現状から満額支給となるよう追加補正すること、組合員以外の方も広く対象とすることを要望します。農業者等経営改善支援事業は、農家の負担をなくすこと、直接給付などの措置を求めます。
第三に、京都市立病院機構における電気料金等高騰に対する支援については、補正額1000万円としていますが、市立病院と京北病院合わせた電気・ガス代値上がりによる影響額は1億3600万円にも及びます。政策医療分の影響額を支援としていますが、公的病院の役割に支障をきたすことのないよう、増額を求めておきます。第四に、家庭ごみ有料指定袋の製造費高騰への対応することについて、背景にある世界情勢の対応はやむ得ないものの、市民生活が厳しい折、ごみ袋代の値下げを行うことを求めておきます。
以上申し述べまして、討論といたします。
1、200億円の収入増、誇大な財政難キャンペーンによる市民負担増はやめよ
2、保育の質を下げ、保育制度を壊す「民間保育園等補助金の削減」は、撤回を
3、物価高騰(とう)をふまえた中小企業・小規模事業者への支援を
4、消費税を減税し、インボイス制度の中止を 政策金融公庫のコロナ特別融資を受けた事業者へ返済支援を
5、労働者派遣法の抜本的な改正を、国に求めよ
6、公契約条例に、賃金条項を加える改正を
7、返済のない給付制奨学金制度の拡充などの学生支援を
8、公営企業への財政支援を国に求め、市バス・地下鉄ダイヤ縮小と値上げの撤回
9、水道・下水道の広域化の先は、民営化。水の安全性、安価な料金を損なう
「地下鉄通学定期券の割引率の引き上げについて」「地下鉄ホーム柵について」
2020年10月9日 決算特別委員会
◆委員(平井良人)
よろしくお願いいたします。
今日は1点目に,地下鉄通学定期券の割引率に対して引上げが必要だという立場から質
問したいと思います。
昨年の決算においても,地下鉄・市バス共に混雑対策をかなり掲げてこられまして,現
在は昼間時間帯等は混雑がないということで報告いただいています。通勤や通学時間帯は
,今日もバスに乗っていましたけれども,雨の影響もあって,やっぱりかなり多いと。そ
れは路線にもよるとは思いますが,そういう時間を補強している所ほど乗客が多いという
状況になっています。
通学については,大学の授業も秋から少しずつ再開はされているという状況であります
。しかし,学生を取り巻く現状,コロナ禍での生活は経済的にも精神的にも非常に厳しい
ものになっ
ているという風に思いますけれども,まずはコロナ禍で通学されている学生の皆さん全体
の状況について,局としてどのように捉えられているか,この点,いかがでしょうか。
◎営業推進室担当部長(大路健志)
市バス・地下鉄の定期券でございます。
8月の数字で申しますと,市バスの方は通学の大学生が前年に比べまして62.1パーセ
ントの減でございます。地下鉄の方でございますが,68.0パーセントの減というのが実態
でございます。
◆委員(平井良人)
今聞いたのは,一般的な,今の学生の状況をどう思いますかという風に聞いたんですけ
れども,そこはそれぞれの思いだという風に思いますので,また是非,聞かせていただき
たいと思います。
これまでから定期券の割引率の引上げについて求めてまいりましたけれども,コロナ
禍で更に厳しくなっているということは明らかでありまして,全体的な紹介をしています
けれども,4月末に学生団体の高等教育無償化プロジェクトFREEがインターネット調
査を行って,全国の319の大学,短大,専門学校などの学生1,200人のうち,親の収入減
などで退学を検討している学生が20.3パーセントに上っていまして,これは5人に一人
だという状況であります。京都では,調査の結果,4人に一人が退学を検討しているとい
う状況であります。
長期化しているコロナの下で,交通局もそうですけども,やっぱり学生の現状も大きく
回復しているわけではないという状況であります。交通局としての最大の支援は経済的支
援だと私どもは思っておりますが,地下鉄の定期券の割引率の引上げ等,運賃に関わるも
のの負担を軽減することが必要だという風に思っていますし,一番の支援だと思っていま
す。
2017年に横浜市が通学定期券の値下げに踏み切って,地下鉄で言うと10パーセントか
ら12パーセントの値下げをしましたけれども,平常時でやっている自治体があるんだか
ら,やっぱり京都市でもやるべきだという風に思っておりまして,いまだ通学定期券の割
引率は低いものになっているということで,改めて,学生の通学定期券の割引率の引上げ
を行うべきだと率直に思うんですけども,いかがでしょうか。
◎営業推進室担当部長(大路健志)
地下鉄の通学定期券の大学生でございますけれど,京都市の場合は50パーセントの割
引率でございます。他の大都市の平均でいきますと61パーセントでございますので,他
都市より低いというのは否定は申しません。ただ,仮に他都市並みに割引率で下げた場合
,私どもの試算的には4億円ぐらいの減収になるのかなという風に思っております。
地下鉄の場合,多額の企業債の残高でありますとか累積資金不足も抱えておりまして,
元々厳しい経営状況になっておりました。今日,色々論議されておりますけれど,ここへ
新型コロナウイルスの影響を受けまして,交通局はお客様も減って,かつてないほどの危
機的な状況でございます。こういった中で定期券を引き下げて減収ということは非常に厳
しい状況であるということで,大変困難であるという風に思っております。
◆委員(平井良人)
コロナの影響で財政状況が厳しい,危機的だというのはもちろん認識しているわけであ
りますけれども,危機的だと言っても前に進まないわけでありまして,どのようにして,
本当にお客さん増に導き出していくかということがどういう姿勢で求められるかというと
ころだと思うんですよね。現在の状況の下で,交通局単体でその4億円を出せということ
にはまずならないということでありますけれども,紹介いただきましたとおり,政令市
平均で通学定期券の割引率,10パーセントほど低い状況でありまして,大学のまちとして
の京都市本体の果たす役割が僕は大きいなとずっと思っておりまして,そういう議論もさ
せていただいております。
以前,大学政策との連携が必要だということを主張しましたけれども,交通事業者とし
て判断するものではないと言っておられました。しかし,乗客の中で確実に学生の方々も
たくさん乗っておられるということは皆さんも知っておられるとおりですし,それは事実
だという風に思います。その学生が高学費の中で,生活も含めて,やっぱり今,苦しん
でいる状況でありますし,退学を考えている人がたくさんいるわけで,こういうときに京
都市総体がどういう方向を向いて仕事をしているかということが,そういう力量が僕は試
されるなと思っておりまして,京都市との連携を更に取っていただきたい,検討いただき
たいという風に思うんですけれども,今,京都市との関係でですけども,これまでどのよ
うに議論されているのか,その点,御紹介いただきたいと思うんですが。
◎営業推進室担当部長(大路健志)
以前から大学施策という点で色々御質問いただいておりますので,各局,それなりの連
携があるかと思います。ただ,我々は交通事業者という位置付けでございますので,そう
いった中で,決められた運賃,定期代を頂戴するのを基本にしております。
以前から議論されている部分でございますが,今おっしゃっていただいたように,この
制度と言いますか,他会計が入ってくることに関しまして,支援とかそういうことにつき
まして,交通局が単体で判断できるというものではございません。
といった中で,関係部局との連携というのは必要かもしれませんが,先ほどから申して
おりますコロナ禍というのは全国的に影響しているものでございますので,他部局におき
ましても非常に厳しい財政になっているという中で,なかなか実現は難しいのではないか
という風に推測いたします。
◆委員(平井良人)
僕は全国的に影響しているから,特に学生のまち京都で必要だという議論だと思うんで
すよね。
もちろん単体ではできないというのはよく分かっておりますけれども,そういう中でど
ういう姿勢を示すかということは,このコロナの中で問われ続けるんじゃないかなという
風に思っていまして,交通事業者だからこそ,乗客の方々の一つである学生の皆さんにど
うしてもらうかということはやっぱり課題じゃないかなという風に思っていますし,引き
続き求めていきたいという風に思います。
二つ目に,地下鉄ホーム柵についてお聞きしたいと思います。
先ほどからも議論がございましたが,昨年の11月市会で烏丸線の北大路駅に新たに設
置することになったということで,昨年度の産業交通水道委員会でも議論されていると。
昨年の決算時で言いますと,準備段階として烏丸線の運行管理システムの更新に着手され
ているということでありまして,今年度からは設計に掛かっているということであります。
1駅の概算事業費は3億6,700万円で,設計部分は1億9,600万円ということで資料を
頂きました。現在は設計段階でありますが,例えば陳情で頂いた視覚障害者協会などとは
設計段階から協議や打合せをされているのかどうかということが1点。
もう1点は,早くて令和4年ということで議論されてきたと思うんですけれども,今の
財政議論がされている中で,多くの方々から待ち望まれているということ,それはもちろ
んだという風に思っていまして,予定どおりの完成を求めたいと思うんですけれども,こ
の2点,是非,お答えいただきたいと思います。
◎高速鉄道部担当部長(秋丸隆之)
北大路駅への可動式ホーム柵の設置に向けてということで,現在,進捗状況としまして
は,先ほど言われたとおり,今年度,設計の方に掛かっております。その中で,今,基
本的な条件を設定しているような段階ですので,今後また視覚障害者団体の皆さんとか,
いろんな御意見を聴きながら設計の方は固めていきたいという段階です。
今のところ,スケジュールにつきましても,令和4年度に完成ということで進めており
まして,また,これについてはしっかり予算要求もしながら進めていきたいという風に考
えております。
◆委員(平井良人)
視覚障害者協会との関係で言いますと,以前,かなり議論させていただきましたけども
,点字ブロックの関係でかなり不都合があったということでこちら側が御意見を頂いたわ
けでありまして,そこで改良していただいたわけでありますけども,僕ら健常者で言うと
見えている範囲というのは非常に大きいですけど,全く見えない状況の下での想定という
のが必要なので,是非,そういう御協議を引き続きやっていただきたいと思っています。
また,全駅設置に向けた車両更新の計画というのも示されていまして,2025年には9両
までは車両更新を行って,ATOを搭載するということになります。あとの更新が必要な
11両については,現在の状況でちょっと難しいと思うんですけど,どういうお考えをされ
ているのか,この点もお聞きしたいと思います。
◎高速鉄道部担当部長(秋丸隆之)
以前に御報告させていただきましたスケジュールにつきましては,全駅設置を令和10年
度ということで,それに向けて,全駅,可動式ホーム柵を設置するには地下鉄車両を定位
置に止めていかなければいけない。そうしなければ定時制が保たれないということで,車
両の改造が必要になってくるということです。運行を補助するようなシステムを既存の車
両にも採り入れていくということで,それについては令和10年度から逆算して車両改造
を行っていかなければいけないということでスケジュールを組んでいます。
これについては令和3年度から設計に掛かる予定をしておるんですけれども,先ほど
来お話がありましたように,この令和10年度全駅設置については,100億円を超えるよう
な事業ですので,これをどうしていくか,どういうスケジュールで進めるかということに
ついては,今,慎重に検討しているところです。
◆委員(平井良人)
慎重に検討ということですけども,お金なしにはできないということになってくるとい
うのも先ほど答弁でありましたけれども,今年度も国において駅ホームにおける視覚障害
者の安全対策検討会が明日開かれるということでありまして,国はこれまでも検討を重ね
ているけれども,一方で,自治体への支援というのは僕は非常に少ないんじゃないかと考
えています。
国への要望は,現在の状況の下でこの分野でも僕は必須だと思っておりまして,財政状
況の話がいっぱい出た中でありますが,やっぱりこの分野でも突破する必要があるかなと
いう風に思っていまして,それと併せて,老朽化した地下鉄設備の更新全体が掛かってき
ますから,やっぱり非常に多額の費用が掛かってくるということで,今ではもう見込めな
いと,皆さん,思ってはるということなんですけれども,そういう設備全体と共に全駅設
置を前提にホーム柵についても更なる支援が要るという風に思っていまして,こういう中
で,どのような姿勢で国に求めるのかが僕は重要だと思っていまして,先ほどもかなり色
々詳細に分野ごとに要望されていましたけども,そういう要望をあらゆる機会に強力に行
っていくということが必要でありまして,ここについての決意を最後に聞いて終わりたい
と思います。
◎企画総務部長(大塚健志)
国への要望でございます。
今年度になりまして,このコロナの状況になりましたので,今,これまでの要望とやは
りちょっとスタイルは変わりまして,コロナ対策ということでの要望に,今,かなり注力
しているという風な状況でございます。
ただ,これまでから行っております,特に今おっしゃいましたように,地下鉄の財政の
確保というのは過去からもずっと課題でございまして,この間ずっと継続して要望を行っ
てきております。その要望について,ぶれることはなく引き続き要望を今年度も行ってお
りますし,昨年度,バスの運転士の確保という視点での要望も新たに付け加えました。こ
ういった形で総合的にしっかりと国に対してこれからも引き続き要望していきたいという
風に考えております。
◆委員(平井良人)
是非,お金に変わりはないということなので,補助率をどこでどう上げるかということ
も含めて総合的に求めていくということで,財政状況を一つでも好転させていくことが次
が見える形になると思いますので,そこも是非,皆さん,注力していただきたいという風
に思っています。今日は終わります。
「民間委託化について」「管路などの施設の更新について」
決算特別委員会第3分科会 2020年10月8日
◆委員(平井良人)
よろしくお願いいたします。
私からは,まず,民間委託化についてお聞きしたいという風に思います。
水ビジョンの5年計画である中期経営プランの中で,第6期効率化計画ということで出さ
れています。本庁舎の移転や民間活用,人員削減がセットで計画が作られているんじゃない
かという風に思いますし,本庁舎についてはPFIでありまして,民間活用については包括
委託も始めているということの状況であります。
もちろん局方針そのものが,将来にわたって市民負担増を抑えながら,技術継承や上下水
道の安全をやるということで作られているのは確かでありますが,一方で,局の状況を見た
ときに,民間活用有りきになっているんじゃないかという風に思っていますし,令和2年
度,今年度で言いますと松ケ崎とかの浄水場の運転管理とか,水道の水質検査の一部も民間
委託するということなんかも含めて,上下水共に民間委託がさらに進んでいるという状況で
あります。
資料で頂いたんですけれども,石田水環境保全センターの運転管理業務,例えば委託拡大
について言えば,民間委託の効果は1,800万円だということでありました。額的な問題も含
めて,業務の質を担保しながらどこまで財政効果があるのかというのは,私の中では甚だ疑
問であります。こういう額を積み重ねて,局の言う根幹業務のみになれば,局のつかむ事業
範囲も非常に狭くなるんじゃないかと。何か問題が起こって,例えば再度公営化するという
ことになったとすれば,技術職員も含めて,事業をするにしても再開は困難になるんじゃな
いかと思うんですけど,まずはこの点の認識をお伺いしたいと思います。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
我々の事業の民間委託についての考え方についてでございます。
今,この厳しい経営環境の下で,上下水道事業を将来にわたり持続可能なものにするため
に,今後も公共性,経営体制を兼ね備えた公営企業において,民間との協働も進めながら安
定的に事業を進める必要があるという風に考えております。
そのため,これまでから委託につきましては,本市の経営責任の下,定型的な業務であり
ますとか民間にノウハウや実績のある業務につきましては,民間に委託してもサービス水準
の維持に支障がないというものについては,積極的に民間委託を進めてきたところでござい
ます。
以上でございます。
◆委員(平井良人)
いつもこの民間の話をすると最後に言われているのは,公営を堅持するということととも
に,根幹に関わる業務ということで言われていまして,水ビジョンにもこの根幹に関わる業
務の分類がされておりまして,例えば政策判断を伴う業務,公権力の行使を伴う業務,公共
性,公益性の高い業務という風にされていまして,これ自身が具体的に何を示しているか,
もう一つ分からないんですよね。三つの根幹業務の具体的中身は一体何なんでしょうか。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
ビジョンに掲げております事業の根幹に関わる業務ということでございます。
政策判断を伴う業務,これにつきましては,事業全体に関する計画の策定や事業の進捗管
理等のことでございます。
また,公権力の行使を伴う業務。我々の下水道事業などにつきましては接続義務というの
がありますので,市民の方に下水道接続をしていただく義務等がございますので,その辺の
,あるいは調査する立入り業務等がございますので,そちらにつきましては直営でやるべき
かという風に考えております。
また,公共性,公益性の高い業務。これは我々の事業そのものが公益性の高い業務でござ
いますけれども,その中でもしっかりとやっていく部分については引き続き直営で実施した
いという風に考えております。
◆委員(平井良人)
三つ目の公共性,公益性の高い業務について,よく今の回答では分からなかったんですけ
ど,もう少し詳しく教えていただけますか。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
我々の業務につきましても委託化できるものについては委託するということで先ほど答弁
させていただきましたけども,この公益性,公共性の高い我々の業務でございますけれども
,その委託業務をしっかりと管理するということが我々の業務であるという風に考えており
ます。
◆委員(平井良人)
極論を言いますと管理するだけでいいということになってくるし,もちろん最低限,許可
しなければならないことや立入り業務なんかは,それは行政の権限ですからやって当たり前
だという話でありまして,結局,国が今,民間にノウハウあれば民間にということで民活を
かなり進めておりまして,そういう中で,京都市が司令塔だけの役割になったらいいわとい
うだけの話でありまして,これは,ひいて言えば現場の各事業の詳細まで見えなくなるので
はないかという風に思いますし,水の安全性なども損なわれる可能性があるんじゃないかと
いう風に見えてくるんですよね。
この点,どうお考えでしょうか。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
安全性につきましてでございますけれども,当然委託化することによりまして,しっかり
と我々は業務をモニタリングする必要がありますし,根幹業務といたしましても,当然でご
ざいますけれども,市民の安全・安心の確保,これにつきまして我々の根幹業務という風に
考えておりますので,そこについてはしっかりと事業を進めていきたいという風に考えてお
ります。
◆委員(平井良人)
考えとしてはそういう風になると言うか,ならざるを得ないと思うんですけれども,実態
で言いますと,今,京都市,民間委託をどんどん進めてきているということで,問題点を
挙げさせていただきたいと思うんですけども,一つは民間委託で財政効果優先にやっている
ということでどうなっているかと言うと,やっぱり委託費そのものが,今の現局面よりやっ
ぱり委託費の方が低いから財政効果が出るということでありまして,そのしわ寄せは大体労
働者の賃金にしわ寄せが来るということではないかと思っていまして,既にそれが起こって
いるのではないかと思っています。
ヴェオリア・ジェネッツに今,検針業務の関係で委託をされておりますけども,日本全体
で180の自治体から水道メーターの検針や料金の徴収を請け負っていると。70から80の拠点
で上下水の運転管理をしているということでありまして,これは社長のインタビューが日本
水道新聞に載っていますけども,9,000人の従業員がいるということで書かれています。
しかし,この方は元々内閣府の民間等活用推進委員会の委員でありまして,正にそういう
方々の思惑どおりに民間委託が進められているということが一つと,あわせてハローワーク
の求人情報をこの間見ましたけども,ヴェオリア・ジェネッツの京都市での検診業務は時給
909円なんです。最低賃金ではないんですか。最低賃金じゃなかったとしても,最低水準
で働かせているということになってくると,自治体が行っていた賃金の安定化も含めて,自
治体自らが低賃金労働者を生み出しているということにほかならないと思うんですけど,こ
の点,どう認識されていますか。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
委託先の賃金についての御質問だという風に思っておりますけれども,当局では,公契約
基本条例に基づきまして,合理的な積算に基づいて,適切に見積もられたことによりまして
,公契約の適正な履行及び履行水準並びに労働者の適正な賃金の確保に努めているところで
ございますので,法に基づいた委託がされているものという風に考えております。
◆委員(平井良人)
いや,法に基づいたのは当たり前でありまして,それは労働者の賃金を守るというのはど
この企業でも当たり前でしょ,そんなん。でも,最低水準にあるということに対してどう思
いますか。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
今,委員御指摘の最低水準かということでございますけれども,我々は入札によりまして
委託業者を決定しておりまして,委託業者の,事業者の判断での賃金水準の設定だというこ
とでありますので,我々はそこまでの見解を述べるものではないという風に考えております
。
◆委員(平井良人)
はっきり言って,管理に責任を持つと言われている一方で,その労働者の,委託先の労働
者の,もちろん管理は直接できないですけども,その状況も見たうえで認識ができないとい
う話になってくるという風に思いますし,はっきり言ってその民間委託が及ぼす弊害ですね
。交通局の協力会もアルバイトの募集をやっていまして,これは910円なので,はっきり
言ってほとんどが最低水準になっているということであります。だから,今までやってきた
方々よりも賃金が下がっているというのは明らかでありますし,そういう職員の方々も含め
て労働者の環境を守るというのは当たり前でありまして,こういう水準が本当に低くなって
いるというのはやっぱり許されない話だなと思っています。
世界での話もちょっと紹介しておきます。世界では,フランスやイギリスなど,これまで
水道事業にとどまらない,PFIを推進してきたところでありますけど,こういう民営化推
進国の各都市が再公営化を始めていると。かなりの数になっていると。民営化で起こったこ
とは,国も今,政策で出していますけどモニタリング,これが結局,市民団体などの監視も
なく,株の持合いなど,これも複雑に絡み合って,財務状況が見えない下で株主配当や役員
報酬などに市民から集まったこの水道料金が流れていったということでありますし,放漫経
営の中で借入金をどんどん膨れ上がらせ,その結果,税金の支払も少なくなったと。インフ
ラの更新や整備も後れて,果ては料金や使用料への値上げにつながったという中で,市民か
ら怒りが出て再公営化の道になっていると。
やっぱりこういう最悪のパターンを生み出すということと併せて,京都市の委託有りきと
いうことが,言えば市民の方々も含めて労働条件を切り下げているということになっている
ということを是非認識していただきたいという風に思いますし,市民の生命線である水事業
,公営事業といえども経営と福祉のバランスを欠くような民間委託がされているということ
そのものが大きな問題だという風に思っていますし,今,包括委託を始めはりましたけども,
包括委託も含めて全体事業をまとめられるようにどんどんしていっているんじゃないかと。
いつでも国誘導で民営化という道筋も視野に入ってくるんじゃないかと。
こういう検討を本当にやめる必要がありますし,直営を堅持されるというのならば,やっ
ぱりそこの中身の管理も含めてきっちりやるべきですし,本当にこういう民間委託そのもの
の流れをやめるべきだという風に思うんですが,御意見を聞かせていただきたいと思います
。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
まず,この民間委託化につきましては,この間,我々申し上げておりますように直営を堅
持してしっかりやるということでございます。
ただ,この我々の事業の中で経営基盤を強化する,経営の効率化を図るために民間委託を
進めているところでございまして,民間との協働の下に安定的な事業運営をこれからも引き
続き進めていきたいという風に考えております。
◆委員(平井良人)
安定的な事業運営というのは必要だという風に思いますが,やっぱり民間委託によってそ
の道を導き出すというのはしょせん限界があるなという風に思っていますし,再度やめるべ
きだと求めておきたいと思います。
次に,管路などの施設の更新についてお聞きしたいと思います。
決算年度において,水道の老朽管の更新の更新率は1.4パーセントに引き上げられました
。事業額は大体約133億円と。更新が56キロされて,昨年からの計算で言うと残り388
キロぐらいになっているという状況であります。下水道管路の改築更新は,中期経営プラン
に示されているとおり,5年間ずっと33キロやるということで,26億円ほどの事業費が進
められて,対策が進められたということであります。今年度は更新率1.5パーセントになり
ますから,58キロの更新だという予定になっています。
この水道管路の初期ダクタイル鋳鉄管についてはいつ解消するのかということで,昨日の
答弁では2034年完了ということで言われていましたけども,いつ頃,どうなるのかという
ことであります。
また,下水道については今後老朽化が進むということでありまして,経営プランでは33キ
ロの更新を確保するということでありますけども,水ビジョンの後期年度に関しても同様の
ペースで行われるのか,また,更新のピーク時が書かれているんですけども,どの時点での
更新の規模が増えてくるのか,その際の更新費用は1年当たりどのぐらいの費用になるのか
,是非今お答えいただきたいということと,将来予測については資料でも頂きたいという風
に思います。いかがでしょうか。
◎水道部長(伊木聖児)
まず,水道管路の老朽化,今やっております初期ダクタイル鋳鉄管の解消のめどというこ
とでございます。
昨日も答弁させていただいたとおり,まずはこのビジョンの中で老朽配水管の解消率,こ
れを76パーセントまで上げていくと。それから,最終的には令和の14年度末,これまで
に100パーセントの解消を目指していくということで進めていきたいという風に考えており
ます。
以上でございます。
◎下水道部担当部長(岩崎公男)
下水道の管渠の更新化事業の方でございます。
これまでプラン上でも挙げさせていただいておりますように年間33キロということで,
約26億円というペースで進めているところでございますが,今後,先生の御質問にありま
したように方向性の話でございますけども,基本的には現ビジョンの中では同じく33キロベ
ースでの改築更新の方を進めてまいりたいと考えております。
予算ベースも同等の金額のベースで今現在,考えているような状況でございます。
以上です。
◆委員(平井良人)
下水道のところで少し聞いていたんですけども,どの時点で更新の規模が増えてくるのか
というところで,ここ10年はまず増えないということで33キロだという理解だと思うんで
すけども,増えてきて,その際に更新費用が段々変わってくるわけですから,1年当たりど
のぐらいの費用になるのかというところも是非お答えいただきたいと思います。
◎下水道部担当部長(岩崎公男)
先生がおっしゃったように,現状の話としては更新ペースも含めて同等ということなんで
すけども,一応ピーク的には20年後の令和27年度末程度が約7割ということで,約3,000
キロベースで非常に老朽管路が増えていくということなんです。
ただ,水道と違いまして,下水の場合はやはり点検整備等をきちっとやっていくことで,
そのピークをいかに遅らせられるかというのも含めて改築更新をやっていくことでございま
すので,その数字に基づいて全てが改築更新を進めて,やり替えていくという状況ではない
ということでございます。
その辺りは今後,当然,老朽化の進み具合とかを調査しながら,予算の方の編成について
も今後考えていきたいという風に考えております。
以上です。
◆委員(平井良人)
そういう意味では,水道はやっぱり管路更新をして漏水しないようにしなければならない
ということと,下水道については,少し清掃などの整備なども含めて,点検整備しながら後
らせていけるということで,費用の感じがまた違うということであります。
そういう意味では,事業継続のための国への要望というのが別に上下水道にかかわらず大
事になってくるということでありまして,水道管路の布設や布設替え,今75ミリ以下の補
助配水管もやっておられるということで,決算ベースで27.6キロと,支線配水管が33.3キ
ロということで,幹線配水管よりも非常にお金が掛かるということであります。
一方で,国からの補助は幹線配水管のみでありまして,支線や補助配水管なんかは国の補
助がなくて,多額の費用負担になっているということでありますけども,今年度の緊急管路
改善事業の実績と併せて,こういう状況でありますから,補助配水管や支線配水管について
も本当に補助がつくようにやっていくことが必要なんですけれども,そういう決意も含めて
,少し実績も御紹介していただきながらお聞かせいただきたいと思います。
◎水道部長(伊木聖児)
水道管路更新に関わる国の補助ということでございます。
令和元年,実績といたしましては,この水道管路緊急改善事業といたしまして,事業の交
付金といたしましては約1億7,000万円の交付を受けているということで,全体の更新事業
費に対する割合としましては1.5パーセント程度になっているような状況でございます。
先生御指摘のとおり,今の対象は基幹管路ということで,支線であるとか補助配水管は対
象になっておりませんが,我々としましてもこの部分の補助,交付金が頂けるようにしっか
りと要望を行っているところでございまして,今年度も,コロナ禍ではありますが,要望も
させていただいておるんですけれども,なかなか国の状況といたしまして,予算も含めまし
て,なかなかそこを広げていくというのは今のところ難しい状況であるという風に確認をし
ておるところでございます。
以上でございます。
◆委員(平井良人)
水道については,逆に言うとそこの突破が必要だと思うんですよね。全国的にも水需要が
落ちているということと併せて,改築更新が増えているわけでありまして,下水道について
もその率そのものがどうなるかというのはまだ不透明な状況でありますから,併せて要望い
ただきたいという風に思います。
今,そういうコロナ禍という話がありましたけど,事業損失についても非常に大きくなっ
ているということでありまして,水道,下水道事業そのものが,市民に低廉で安全な水の供
給が必要だということで,水道法にも書かれておりますけども,災害なども含めて命を守る
ための継続が必要だということでありまして,しかし,交通局の決算概要では国にもきちっ
と財源を求めていくということでされているんですけど,水道事業にあんまりそういった文
言がないんですよね。これまでどおりの国への要望を繰り返しているように見えるんだけど
も,今年度に対してはどうなのかというのをお聞かせいただきたいという風に思います。
◎経営戦略室長(糸藤直之)
国に対する要望の活動についてでございます。
水道事業におきましても,施設の老朽化対策でありますとか,耐震化工事に対する財政支
援等につきまして,採択基準の拡充,国費の引上げ等を求めております。
また,下水道につきましても,今年度で終了いたします防災・減災,国土強靱化のための
3か年緊急対策終了後の国費配分についても要望しているところでございます。
今年度はコロナ禍にありますけれども,要望に当たりましては,今年度7月には京都市と
しての要望書を策定いたしまして,関係省庁や国会議員への要望活動を実施しているほか,
指定都市あるいは全国市長会を通じた要望活動,また,これまでから行っております日本水
道協会や日本下水道協会等,水道,下水道関連の事業体を通じた要望活動も行っているとこ
ろでございます。
以上でございます。
◆委員(平井良人)
だから,従来どおりの言い方だという風に思うんですけれども,中身をやっぱり集約して
いただいて,やっぱり減収というのは大きい額になっていますし,また,管路の更新という
のも依然として増えてきていると。
昨日の議論にありましたとおり,設計労務単価が今後上がっていくということでありまし
て,要は管路も施設も更新する際にお金がどんどん掛かってくるということになりますから
,より厳しくなるということは皆さんも予測されている話でありますし,本来なら減収はコ
ロナによる影響というのが本当に主でありまして,災害と同じ位置付けじゃないかと。国が
予備費などを使って全国の水道や下水道事業者等の支援を僕は行うべきだという風に思って
いまして,支援を行うところは国はたくさんありますけれども,やっぱり命の水であるとい
うことでありますし,前述,先ほど述べたように民間委託や,その範囲拡大なども,財政的
に厳しければどんどんやっていくという,全国的にもやっていくという方向になってしまう
ということでありますから,やっぱりそういう自治体への負担を最小限にすることが今必要
ですし,そういう全体的な費用負担の増加も加味して,大都市の枠組みも活用するし,また
,あらゆる機会にやっぱり強力に国に損失補填などの支援を求めるべきじゃないかという風
に思います。
是非そういう姿勢でやっていただきたいということを述べまして,終わりたいと思います
。