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コロナ禍における質問⑲

「地下鉄通学定期券の割引率の引き上げについて」「地下鉄ホーム柵について」

 

2020年10月9日 決算特別委員会

 

◆委員(平井良人) 

 よろしくお願いいたします。

 今日は1点目に,地下鉄通学定期券の割引率に対して引上げが必要だという立場から質

問したいと思います。

 昨年の決算においても,地下鉄・市バス共に混雑対策をかなり掲げてこられまして,現

在は昼間時間帯等は混雑がないということで報告いただいています。通勤や通学時間帯は

,今日もバスに乗っていましたけれども,雨の影響もあって,やっぱりかなり多いと。そ

れは路線にもよるとは思いますが,そういう時間を補強している所ほど乗客が多いという

状況になっています。

 通学については,大学の授業も秋から少しずつ再開はされているという状況であります

。しかし,学生を取り巻く現状,コロナ禍での生活は経済的にも精神的にも非常に厳しい

ものになっ

ているという風に思いますけれども,まずはコロナ禍で通学されている学生の皆さん全体

の状況について,局としてどのように捉えられているか,この点,いかがでしょうか。

 

◎営業推進室担当部長(大路健志) 

 市バス・地下鉄の定期券でございます。

 8月の数字で申しますと,市バスの方は通学の大学生が前年に比べまして62.1パーセ

ントの減でございます。地下鉄の方でございますが,68.0パーセントの減というのが実態

でございます。

 

◆委員(平井良人) 

 今聞いたのは,一般的な,今の学生の状況をどう思いますかという風に聞いたんですけ

れども,そこはそれぞれの思いだという風に思いますので,また是非,聞かせていただき

たいと思います。

 これまでから定期券の割引率の引上げについて求めてまいりましたけれども,コロナ

禍で更に厳しくなっているということは明らかでありまして,全体的な紹介をしています

けれども,4月末に学生団体の高等教育無償化プロジェクトFREEがインターネット調

査を行って,全国の319の大学,短大,専門学校などの学生1,200人のうち,親の収入減

などで退学を検討している学生が20.3パーセントに上っていまして,これは5人に一人

だという状況であります。京都では,調査の結果,4人に一人が退学を検討しているとい

う状況であります。

 長期化しているコロナの下で,交通局もそうですけども,やっぱり学生の現状も大きく

回復しているわけではないという状況であります。交通局としての最大の支援は経済的支

援だと私どもは思っておりますが,地下鉄の定期券の割引率の引上げ等,運賃に関わるも

のの負担を軽減することが必要だという風に思っていますし,一番の支援だと思っていま

す。

 2017年に横浜市が通学定期券の値下げに踏み切って,地下鉄で言うと10パーセントか

ら12パーセントの値下げをしましたけれども,平常時でやっている自治体があるんだか

ら,やっぱり京都市でもやるべきだという風に思っておりまして,いまだ通学定期券の割

引率は低いものになっているということで,改めて,学生の通学定期券の割引率の引上げ

を行うべきだと率直に思うんですけども,いかがでしょうか。

 

◎営業推進室担当部長(大路健志) 

 地下鉄の通学定期券の大学生でございますけれど,京都市の場合は50パーセントの割

引率でございます。他の大都市の平均でいきますと61パーセントでございますので,他

都市より低いというのは否定は申しません。ただ,仮に他都市並みに割引率で下げた場合

,私どもの試算的には4億円ぐらいの減収になるのかなという風に思っております。

 地下鉄の場合,多額の企業債の残高でありますとか累積資金不足も抱えておりまして,

元々厳しい経営状況になっておりました。今日,色々論議されておりますけれど,ここへ

新型コロナウイルスの影響を受けまして,交通局はお客様も減って,かつてないほどの危

機的な状況でございます。こういった中で定期券を引き下げて減収ということは非常に厳

しい状況であるということで,大変困難であるという風に思っております。

 

◆委員(平井良人) 

 コロナの影響で財政状況が厳しい,危機的だというのはもちろん認識しているわけであ

りますけれども,危機的だと言っても前に進まないわけでありまして,どのようにして,

本当にお客さん増に導き出していくかということがどういう姿勢で求められるかというと

ころだと思うんですよね。現在の状況の下で,交通局単体でその4億円を出せということ

にはまずならないということでありますけれども,紹介いただきましたとおり,政令市

平均で通学定期券の割引率,10パーセントほど低い状況でありまして,大学のまちとして

の京都市本体の果たす役割が僕は大きいなとずっと思っておりまして,そういう議論もさ

せていただいております。

 以前,大学政策との連携が必要だということを主張しましたけれども,交通事業者とし

て判断するものではないと言っておられました。しかし,乗客の中で確実に学生の方々も

たくさん乗っておられるということは皆さんも知っておられるとおりですし,それは事実

だという風に思います。その学生が高学費の中で,生活も含めて,やっぱり今,苦しん

でいる状況でありますし,退学を考えている人がたくさんいるわけで,こういうときに京

都市総体がどういう方向を向いて仕事をしているかということが,そういう力量が僕は試

されるなと思っておりまして,京都市との連携を更に取っていただきたい,検討いただき

たいという風に思うんですけれども,今,京都市との関係でですけども,これまでどのよ

うに議論されているのか,その点,御紹介いただきたいと思うんですが。

 

◎営業推進室担当部長(大路健志) 

 以前から大学施策という点で色々御質問いただいておりますので,各局,それなりの連

携があるかと思います。ただ,我々は交通事業者という位置付けでございますので,そう

いった中で,決められた運賃,定期代を頂戴するのを基本にしております。

 以前から議論されている部分でございますが,今おっしゃっていただいたように,この

制度と言いますか,他会計が入ってくることに関しまして,支援とかそういうことにつき

まして,交通局が単体で判断できるというものではございません。

 といった中で,関係部局との連携というのは必要かもしれませんが,先ほどから申して

おりますコロナ禍というのは全国的に影響しているものでございますので,他部局におき

ましても非常に厳しい財政になっているという中で,なかなか実現は難しいのではないか

という風に推測いたします。

 

◆委員(平井良人) 

 僕は全国的に影響しているから,特に学生のまち京都で必要だという議論だと思うんで

すよね。

 もちろん単体ではできないというのはよく分かっておりますけれども,そういう中でど

ういう姿勢を示すかということは,このコロナの中で問われ続けるんじゃないかなという

風に思っていまして,交通事業者だからこそ,乗客の方々の一つである学生の皆さんにど

うしてもらうかということはやっぱり課題じゃないかなという風に思っていますし,引き

続き求めていきたいという風に思います。

 二つ目に,地下鉄ホーム柵についてお聞きしたいと思います。

 先ほどからも議論がございましたが,昨年の11月市会で烏丸線の北大路駅に新たに設

置することになったということで,昨年度の産業交通水道委員会でも議論されていると。

昨年の決算時で言いますと,準備段階として烏丸線の運行管理システムの更新に着手され

ているということでありまして,今年度からは設計に掛かっているということであります。

 1駅の概算事業費は3億6,700万円で,設計部分は1億9,600万円ということで資料を

頂きました。現在は設計段階でありますが,例えば陳情で頂いた視覚障害者協会などとは

設計段階から協議や打合せをされているのかどうかということが1点。

 もう1点は,早くて令和4年ということで議論されてきたと思うんですけれども,今の

財政議論がされている中で,多くの方々から待ち望まれているということ,それはもちろ

んだという風に思っていまして,予定どおりの完成を求めたいと思うんですけれども,こ

の2点,是非,お答えいただきたいと思います。

 

◎高速鉄道部担当部長(秋丸隆之) 

 北大路駅への可動式ホーム柵の設置に向けてということで,現在,進捗状況としまして

は,先ほど言われたとおり,今年度,設計の方に掛かっております。その中で,今,基

本的な条件を設定しているような段階ですので,今後また視覚障害者団体の皆さんとか,

いろんな御意見を聴きながら設計の方は固めていきたいという段階です。

 今のところ,スケジュールにつきましても,令和4年度に完成ということで進めており

まして,また,これについてはしっかり予算要求もしながら進めていきたいという風に考

えております。

 

◆委員(平井良人) 

 視覚障害者協会との関係で言いますと,以前,かなり議論させていただきましたけども

,点字ブロックの関係でかなり不都合があったということでこちら側が御意見を頂いたわ

けでありまして,そこで改良していただいたわけでありますけども,僕ら健常者で言うと

見えている範囲というのは非常に大きいですけど,全く見えない状況の下での想定という

のが必要なので,是非,そういう御協議を引き続きやっていただきたいと思っています。

 また,全駅設置に向けた車両更新の計画というのも示されていまして,2025年には9両

までは車両更新を行って,ATOを搭載するということになります。あとの更新が必要な

11両については,現在の状況でちょっと難しいと思うんですけど,どういうお考えをされ

ているのか,この点もお聞きしたいと思います。

 

◎高速鉄道部担当部長(秋丸隆之) 

 以前に御報告させていただきましたスケジュールにつきましては,全駅設置を令和10年

度ということで,それに向けて,全駅,可動式ホーム柵を設置するには地下鉄車両を定位

置に止めていかなければいけない。そうしなければ定時制が保たれないということで,車

両の改造が必要になってくるということです。運行を補助するようなシステムを既存の車

両にも採り入れていくということで,それについては令和10年度から逆算して車両改造

を行っていかなければいけないということでスケジュールを組んでいます。

 これについては令和3年度から設計に掛かる予定をしておるんですけれども,先ほど

来お話がありましたように,この令和10年度全駅設置については,100億円を超えるよう

な事業ですので,これをどうしていくか,どういうスケジュールで進めるかということに

ついては,今,慎重に検討しているところです。

 

◆委員(平井良人) 

 慎重に検討ということですけども,お金なしにはできないということになってくるとい

うのも先ほど答弁でありましたけれども,今年度も国において駅ホームにおける視覚障害

者の安全対策検討会が明日開かれるということでありまして,国はこれまでも検討を重ね

ているけれども,一方で,自治体への支援というのは僕は非常に少ないんじゃないかと考

えています。

 国への要望は,現在の状況の下でこの分野でも僕は必須だと思っておりまして,財政状

況の話がいっぱい出た中でありますが,やっぱりこの分野でも突破する必要があるかなと

いう風に思っていまして,それと併せて,老朽化した地下鉄設備の更新全体が掛かってき

ますから,やっぱり非常に多額の費用が掛かってくるということで,今ではもう見込めな

いと,皆さん,思ってはるということなんですけれども,そういう設備全体と共に全駅設

置を前提にホーム柵についても更なる支援が要るという風に思っていまして,こういう中

で,どのような姿勢で国に求めるのかが僕は重要だと思っていまして,先ほどもかなり色

々詳細に分野ごとに要望されていましたけども,そういう要望をあらゆる機会に強力に行

っていくということが必要でありまして,ここについての決意を最後に聞いて終わりたい

と思います。

 

◎企画総務部長(大塚健志) 

 国への要望でございます。

 今年度になりまして,このコロナの状況になりましたので,今,これまでの要望とやは

りちょっとスタイルは変わりまして,コロナ対策ということでの要望に,今,かなり注力

しているという風な状況でございます。

 ただ,これまでから行っております,特に今おっしゃいましたように,地下鉄の財政の

確保というのは過去からもずっと課題でございまして,この間ずっと継続して要望を行っ

てきております。その要望について,ぶれることはなく引き続き要望を今年度も行ってお

りますし,昨年度,バスの運転士の確保という視点での要望も新たに付け加えました。こ

ういった形で総合的にしっかりと国に対してこれからも引き続き要望していきたいという

風に考えております。

 

◆委員(平井良人) 

 是非,お金に変わりはないということなので,補助率をどこでどう上げるかということ

も含めて総合的に求めていくということで,財政状況を一つでも好転させていくことが次

が見える形になると思いますので,そこも是非,皆さん,注力していただきたいという風

に思っています。今日は終わります。

 

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